2021/07/30

#8『どうしてみんな勝手にやるの』

今回はズバリ「させて頂きます」問題です。
無意識に書いてませんか。「させて頂きます」
 
例えば
「〇〇のイベントに参加させて頂きました」
「番組いつも楽しく拝聴させて頂いてます」
 
特にメール投稿初心者とか、メール投稿をする頻度が低い方に多い体感があります。

で、それの何が問題なの、何がいけないの?
となる人がほとんどかと思いますが、
その前になぜ「させて頂きます」と書くのか、
これは簡単です。
 
「敬語の一種で普通にこう使ってる。」
 
この一点しか考えられません。
 
せっかく憧れの声優様にアニソン歌手様に、その他推し様にお便りを書くのだから
「イベントに参加しました」
じゃ足らない。もっとへりくだりたい…!だから
 
「イベントに参加させて頂きました」
となる。神聖視と言えば大げさですが、そういう感覚です。

しかして、これはやめた方がいいです。
いくつか理由を挙げてみます。

まず

①噛みやすい

これにほぼ尽きます。
 
今後やる予定の「噛みやすいワード」特集でしようとしてた話の一部なんですけど、
「させて頂きます」の「させ」って言いにくいんですよ。
 
書いたメールを声に出して読めばわかります。
滑舌練習をしたことがある放送部とか演技経験者なら共感してもらえるかと。 
 
確かに投稿する人からすればメールは“書く”ものですが、
実際のところは“読む”ものです。
それがファンレターで、黙読するものなら別に構いませんが、
声に出すものなら、読みにくいワードは配慮すべきです。
 
(あ、ファンレターとメール投稿って全く別モノです。 
 ファンレターの延長線がメール投稿・感想メール・ふつおたetcではありませんよ。)
 
「〇〇のイベントに参加させて頂きました」
は単純に噛みやすいんだから
「イベントに参加しました」
の“です・ます”で丁寧語できてるし、それで十分。
皆が聞いてる有限の時間の中、噛んで数秒失われるのなら
噛みやすいワードは避けるに越したことはない。
メールで噛んだら半分はそれを書いた人のせい。
 
なのに、自分の尊敬する気持ちが優先してしまって、
その敬語表現を優先してまで言いにくいワードを使うのは、
ちょっと思いとどまってもらいたい。
 
特に初心者は送る前に読む、という概念がないと思いますし。
本当に、声に出して読んでみる、というのはやった方がいいです。

これが1つ目。
 
 
次に文法上の観点から2つ。

②なんか許可でも得たの?

と、聞いてて感じます。
そもそも何かを「させて頂く」のは、
相手の許可を得て権利を行使する時でないと言えません。
チケ買ったのって、別に推しの許可得てませんよね。
 
許可を得ているなら、例えばあなたが関係者なら別に構いません。
「イベントに関係者枠で参加させて頂きました。」
その人の紹介で。
なんら問題ありません。
 
別に許可ももらってない、関係者ってわけでもない、
他のオタクと特筆して違うことって、そうそうないですよね。
あなたは客だから金払ってチケ買って、イベントに参加するのは当然なのに
わざわざさせて頂いたのはどうなの?
というのが2つ目の理由です。 
 
 
そして2つ目と若干被るんですが

③自分勝手感溢れる

「させて頂く」というワードの用例としてもう一つ、
許可を得ているか、またはその前に
「誠に勝手ながら」
という言葉が入るもの。
そして対象の相手に何かしらの損を与えます。
 
誠に勝手ながら、ソシャゲは○年○月○日にサービスを終了させて頂く運びとなりました。」
 
許可は得てないものの、自分都合で、やむを得ず、
という時にさせて頂くことは多々あります。
上の例文、見たことある人も多いでしょう。

確かに推しの許しなく誠に勝手ながらイベントには参加するけども、そうじゃない。
 
出演したイベントにあなたという客が来て!
わざわざお便りまでくれた…!

推しとしては心底嬉しいはずです。
どう考えても損ではありませんよね。
(まぁ例外of例外で出禁客だったという可能性はあるけども……。)
 
ならそんなさせて頂いたなんてやめてくれ。
堂々と「イベント行きました!」でええやん。
 
 
 
総じて、最近はとにかく下から下から、お便りを書いている気概があります。
敬語を使おうとする心意気やよしですが、
最低限だけの距離感は守っても、もっとフランクに行っていいと思います。

一部の界隈をご覧くださいよ。
「前田ァ!」
って。呼び捨てですよ。本当に楽しそうw
 
声ラジにおいてもっとフランクでいい、という観点からも、
噛みやすいから、という理由からも。
 
「させて頂く」が正しく使われますよう。


 
 
 
数学
 

2021/07/29

『島袋美由利の無為自然のはずだったのに…』を薦めたい

これまで10年ほど、色んな声優さんのラジオを聞いてきましたが、
まるで新種の人種に出会った探検家のような、そんな高揚した気分になりました。
 
会話の導入部から言葉選び、テンポ、間……。
喋ってる言語は他の女性声優と同じ日本語なのに、
(ごくごく一部、ロシア語とかエジプト語を話す規格外声優はさておき)
 なぜかむちゃくちゃ推せるおしゃべり。
 
じゃあ今まで聞いてきたのと何が違うんだろう、と思い返してみると、
リスナーとの距離感、 言葉選び、話の抑揚、

このあたりがずば抜けて違うし、巧い。

この業界もちろん、多数派だから良い少数派だから悪い、なんてことはもちろんないけど、
パーソナリティー、つまり“個性”がものを言う
ラジオという媒体にとっては、むしろ少数派が輝くとも言えよう。
 
まぁ本人はまさに無為自然、
たぶん本人は全く気にしてないんでしょうね。
言葉通り、ありのまま、素なんだろうけど。
 
でもラジオは素を見せてなんぼ。
さらけ出してくれたり、いつも敬語なのにタメ口が出たり、
常連リスナーを優遇したりいつも以上の親密さを出したり、
時にはリスナーにものを言ったり。

ちゃんと人と向かい合ってくれているのがよくわかりますし、
推せます。
 
とりあえず初回聞けばすぐわかりますから。
 

 
 
しかし、これまで2度延命処置はとられたものの
3度はあるのか……。
 
メールはだんだんと増えているような感覚はしていますが、
それが継続のGoサインを出せるまでの数なのかは、
こちらからは本当にわかりません。
 
 
むいはずに限らず
番組を少しでも長く生かすためにリスナーができることはとにかく“数字”稼ぎです。
 
・A&Gの同時接続数(リアタイ・リピ)
 →何人聞いてるかあちら側からは一目瞭然の数
・メールの数(何通来たか&何人から来たか)
 →リスナーのうち投稿もしちゃうくらい意欲の高い人の数。
  ちなみにリスナー全体の1割程度と言われている。
・Twitterのフォロワー
 →興味があるオタクの人数、ざっくりとしたリスナーの人数
・Youtubeの再生回数
 →単純にアーカイブの需要

ガチ勢はなるたけ全部を(まぁ全部してるからガチ勢なんだが)、
そして未リスナーにはどれかひとつでも。
させればさせるほど延命する可能性が高まります。
 
 
 
個人的に言わせてもらえれば、
島袋美由利は今のアニラジ業界に必要な喋り手です。
 
えだって、今のアニラジ業界にあんな自然に抑揚つけて喋る女性声優おる?
メールにあんなツッコんだり感情移入する女性声優おる?
あんな毎回独特すぎるワードをナチュラルに織り交ぜながら喋れる女性声優おる?  
 
いやいや、
むいはずを潰すのはラジオマンとしてさすがにおかしいって。QR編成部さん。





むいはず。
オタクの力で生かしていこうな。



数学


2021/07/25

『エーヴィヒたちに声をつけてあげたい!』を宣伝したい!

先に言っておきますが
企業案件とかでは一切ありません。
私の、単なるガチな推せる企画について書きたい、それだけです。
 
 
 
<2016年1月>
 
『ガラスの花と壊す世界』
 
ご存知だろうか。2016年1月に公開の劇場作品。
ご周知の通り当時は佐倉さん勢で、これもいわば“案件”のひとつだった。
しかしそこでヤバい人と巡り合う。

声優【花守ゆみり】

周りを種田梨沙・佐倉綾音・茅野愛衣の盤石な布陣に固められた
“ガラこわ”の主演・リモ役。
当時はまだJKだっただろうか、
観る前までは完全に名も知らぬメインキャスト、眼中になかったはずなのに
ガラこわ1回目を見終わった瞬間、やられた。

この子は売れる。推せる。

数年後。
案の定売れた。


そしてもうひとつ。
「ーーこの世界観は、何……?」
 
オリジナル、というか公募から勝ち上がってきた作品とは伺っていたものの、
幻想的で、今生きている世界とは勝手も法則も違う、
しかしすっと手や頭に馴染みだけはする素晴らしいフィクション。
 
原案【フィジクス・ポイント】
この作者の名前は決して忘れないだろう、と。
 




<2021年7月>
 
あれから5年半が経った。
Twitterで再び【フィジクス・ポイント】という名前を見る。

「Ewig-エーヴィヒ-」
という、新しいビジュアルノベルの企画を動かしているそうだ。
 
その1シーン朗読に【花守ゆみり】ときた。
 


とても美しい。声も顔も朗読も。
 
普通のオタクからすれば、こういう1人での読み物に真っ先に食いつくのは
【演じ分け】。
100%といっていい。オタクはみんなこう言う。
ちっちゃい子から大人まで、なんなら男の子もできてやっぱ女性声優ってすごい!!
そうわかる、音の高低、感情表現、男の子……、
花守さんはそのへん特にとても豊かな声をお持ちだと思う。

しかしだ、朗読をかじったことがある身からすれば、
朗読の7割は【間】で決まる。
色んな役割がある【間】を、聞き手に違和感を感じさせず
自然に読みながら作れるかどうかが
やっていて本当に大事なんだという経験があるからこそ言える。
朗読は【間】だ。

演じ分けなんぞは2,3番目。
【間】を、常に自然に作り読める人こそ推せる。
本当に美麗な読みだった。
花守ゆみりという読み手は、完璧だ。 


 
美しい世界を作り上げる【フィジクス・ポイント】と
美しい世界を詠いあげる【花守ゆみり】。
あのガラこわのチームが、クラウドファンディングで再び動こうとしている。
 
好きなアニメ5本の指の1本にガラこわを入れる僕に
迷いなぞなかった。
これは昨今の、令和の声優業界に必要な作品である、と。

 

エーヴィヒたちに声をつけてあげたい!『エーヴィヒ』フルボイス化プロジェクト