2023/05/06

#15『“まつわる”系コーナーの攻め方』

今回は“まつわる”系と題し、
メールテーマでよく聞く「~~といえば」「~~にまつわる」など
文字を指定されたような時のメールのコツを書いていきます。

ちょうど、いい例が過去にあったので
以前、東山奈央のラジオ@リビングであったテーマを例にします。

メールテーマ
「5」にまつわるエピソード

と言われましたら、何を思い浮かべるでしょうか。
人によっていろいろありますが、たとえば
「5歳の時の思い出」なんかは手軽に思いつきますよね。
放送では「5拍子の曲が好きです」というメールが採用されてましたが、
5拍子というレアで意外性のあるネタがよかったですね。
あとは、漢数字にして「五目並べが得意です」「五目チャーハン」なんかもいいですね。

しかし、ここまではまだベターな部類。
漢数字にするだけまだ少しひねってはいますが、
5から意外性があったり(5拍子)、エピソードが強いものであればよし、
ただ5から思いついたものを送った程度では
たとえ読まれても印象にはさして残りません。


文字指定コーナーのコツ


ここからが本題です。
あっと言わせる、TLをざわつかせる、
パーソナリティーに一発で認知してもらえる(?)メールを書くコツは

「今自分が楽しんでいるのは“ラジオ”だ」

という意識。
常に耳から入ってくる情報を大切に、聴覚に強めの意識を持っておくこと。

そもそも、なぜ「5」と言われてパッと思いつくのが数字なのかというと、
メールテーマをTwitterという文字情報

5にまつわるエピソード

と書かれてしまうと、どうしても数字の5にとても意識がいってしまいます。
そりゃ、数字で書かれれば数字の話を募集してるんだな、と思ってしまいますよね。

しかし、それはあくまで【目】の話。

作家が台本に「5」と書き、
プロデューサーがTwitterで「5」とツイートしようとも。

あなたがパーソナリティーの声で聴いたのは「5」ではなく「ご」です。

視覚情報に囚われてはいけません。

ですので、私がこのテーマに対し上手いな!と感じるのは、たとえば
「三国志では呉が一番好きです」
「小さい頃囲碁をやってて大会に出てました」
(※囲碁を碁というくらいの言葉の変換は普通許容範囲内です)

といった感じ。
きっとパーソナリティーも「こういう解釈があったか!」
と、喜んでくれるはず。


数字じゃなくても。


次の例を出します。
次は「戦闘員、ラジオに派遣します!」のコーナーから
“自分は美少女型高性能アンドロイド キサラギ=アリスちゃんだ”を挙げます。

富田美憂演じる美少女アンドロイドのキャラに
色んな「〇〇しい」という語句+説明、
つまり国語でいうところの“形容詞”を教えて、
その性格っぽく言ってもらおうというのが
本来の(=表向きの)コーナー。
例として「そそっかしい」「小賢しい」が挙げられています。

これも、先ほどと同様に音情報として考えてみると、
「しい」という音は「しー」と伸ばしても、
またはアルファベットにして「C」と言っても
ほとんど変わりありません。

ということは、語尾に「しー」ないし「しい」というような音がつく、
キャラが立つものであれば形容詞とは言われてないので問題はない、となるわけです。

そう、このコーナーの最適解のひとつは「ふなっしー」です。
みんながパッと思いつくけど、形容詞な「〇〇しい」。
このように、音情報に変換して発想をふくらませていきます。


○○だと言われても…。


最後に、割とよくある生放送メールテーマですが、こういうことも。

「今日のメールテーマは、フリーです!」
「質問や番組の感想などなんでも構いません。どしどしお送りください。」

なんて聴いたことがあるだろう。
そう。フリー。

パーソナリティー(やスタッフ)としては、
とにかくマジで(言葉通り意味通り)何でもいいから送って!!
という意味合いで言って(書いて)るのだろうが、
私だけはそうは問屋が卸さない。

なんでもいい、と言われて、
なんでもいいから今日の晩ご飯の質問送りました。
とかは、誰でもできます。超初心者向けテーマ。

「まだメール送ったことないけどなんでもいいなら…!」
という方にはもってこいな話。

ですが、慣れた人ならひとつひねってみませんか?
フリーだからって常連がそんなクソみたいな質問してて許されるの?と、思いません?

「フリー」と言われたからこそ書けるメール、ありませんか?

フリー=“自由”という意味合いに囚われず、
「フリー」という文字を指定されたなら「フリー」が含まれていないといけない、
指定されたもんだと考えて発想を広げていきましょう。

・アニメ「Free!」関連
・フリースタイルダンジョン
・(Twitterの)フリート機能のこと
・(自虐的に)フリーターです!!
・好きなイ“フリー”ト(火の精霊)のこと
(※語句の中間に指定の文字が含まれる場合は
 ダブルコーテーション “” で囲うと強調され、
 作家やパーソナリティーが『これも“フリー”だ!!』と気付いてくれます。)

いっぱいありますね。


なんでもそうですが、パッと思いつくのは他人もすぐ思いつくもの。
ネタ被りして同じ系統のネタを他人のが読まれたら腹は立ちますが、
そもそも被るのが(若干)悪いこと。
テーマに対し、発想されにくい題材選びをすれば被る可能性は下がるのですから、
すぐ思いついたのは一度捨てて、
「本当にこんなんでいいのか」と。
自問自答してみてください。

要はメールの「多様性」です。
全部のメールがそんな簡単に思いつくのだけでは、
起伏のない平坦なメールコーナーになってしまいます。

1つ2つ、このような「あっ」と言わせるのがあると跳ねますし、盛り上がります。
それに選ぶ側(作家)もそのメールの個性に惹かれて採りたくなります。
そういうキラーメールをぜひチャレンジしてみてほしいところ。


後にも先にもNo.1メールはコレ


それでは、私がアニラジ聴いて12年、一番感動した語句指定メールを最後にご紹介。

既に終わってしまいましたが、
アニソンリクエスト番組「阿澄佳奈のキミまち!」では、
毎回テーマにまつわるアニソンを募集していました。
2017年5月7日のテーマが「アニソンで旅しよう!~地名アニソン~」。

たまゆらの「ももねこ様音頭」(広島県竹原市)
ガルパンの「あんこう音頭」(茨城県大洗市)
ときた次の曲が、
『新世紀エヴァンゲリオン』の「♪魂のルフラン」。
(ぜひYoutubeで1コーラス聴いてってください)

♪私に還りなさい 記憶をたどり …………





有名だしそりゃみんな知ってる名曲。
しかし当然テーマの「地名」が先行し、
TLでは「どこが?」の疑問しかなく。

1コーラス後、投稿者のコメント。

















「『“多摩市”いのルフラン』でどうですか?」



まいった。そこか………!
目でラジオを聴いてはいけなかった。

これを超える“まつわる”系メールを送ってみたい。


数学

2023/04/07

麻雀店Q&A

4月から大学に入学される皆様、ご入学おめでとうございます。

大学生になるということは……
『雀荘に入れます』!!!!!!!!!(←そこかい)

ここ数年は、ネット麻雀やMリーグの影響で
麻雀というゲームそのものの認知度も上昇中。
実際に麻雀店(=雀荘)に行こうかな、と思う人もいるはず。

そこで今回はラジオ投稿の話は全くなしに、
麻雀店についていくらかお話したいと思います。

●麻雀店Q&A

・とりま「地名 雀荘」でググるとやたらあるけど、どこがいいの?

HPやTwitterで「ノーレート」ないし「健康麻雀」と書いてあるところを選びましょう。
周知の通り、麻雀はやたら賭け事と悪縁が深いこと深いこと。
麻雀の賭博は違法なので(なのですがそんじょそこら賭けてる店ばかりなのですが…)、
これを読んでる皆さんには純粋に麻雀を楽しんでもらいたいところ。
で、そんな「うちの雀荘は金賭けてるよ!!1000点いくらです!!」
などという違法な事実をHPやTwitterに公にはしませんよね。警察が黙ってないので。

なので、雀荘が金賭けてる店(通称:オンレート)か
賭けてない店(=ノーレート)かどうか見極めるには
「ノーレート」「健康麻雀」と書いてるところがお金を賭けてない店です。
この令和の麻雀が流行る時代、「金賭けてない」という至極普通の事実を書くだけで
それがお店のアピールポイントになる時代。
逆に特にそのへんが書いてなかったら「オンレート=賭けてる」
と判断してもらって大丈夫です。

具体的にチェーン店の名前を出すと、
「まーすた」は全部健康麻雀の店です。Mリーグルールもやってます。
Mリーガーのコバゴーとか雀王取ってる金プロがかなり上の役職にいらっしゃいます。
ここは安心して行っていいです。

逆に、「マーチャオ」はまーすたと経営母体は一緒なんですが全部オンレート店です。
店名で区別しましょう。

「ZOO」はノーレートの営業を始めた数店舗以外は全部オンレート店です。
ただ、そもそもZOOは安かろう悪かろうで、店員の質は底辺です。
それでも言うて業界としては最安ランクなんで、
安いという理由だけでここが売れてしまう。嫌なもんだ……。


・「フリー麻雀」「リーチ麻雀」「セット」これどんな意味?

営業形態の話になります。
麻雀店は「フリー」と「セット」の2種類があります。

フリーは1人~2人で来店し、他に来店しているお客様同士でお店が決めたルールで麻雀をします。
(お金を賭けるかどうかも”店のルール”なので、「フリー」だけでは賭けてるかの区別はつきません)
セットは最低3人~5,6人(店によって1卓あたりに入れる人数が違います。だいたい5)
で卓を借り、友達同士でやるタイプです。

フリーはスナック
セットはカラオケ

のたとえがわかりやすいかな、と思います。

フリーの営業をしている店は、セットも並行でやっているところがほとんどです。
逆に、セットのみの営業の店もあります。いわゆるセット専門店です。

ひとつ抜かしました「リーチ麻雀」は、
これは意訳すると「日本式麻雀」という意味になります。

今度は麻雀の起源とかの話になりますが、
想像に易く、麻雀の起源は中国です。
ですが、麻雀をひと通り知ってる人なら、日本の麻雀で当たり前のようにある「リーチ」という役、
リーチは日本にしかありません。
他にも日本の麻雀にしかない概念や要素は多くありますが、
そんな、日本制のルールの麻雀を、中国や他各国の「国際公式ルール」と区別して
「リーチ麻雀」といいます。
日本にある「和食店」とさほど言ってることに変わりありませんね。

なので、看板に書いてある「リーチ麻雀」はガン無視していただいて
(日本で国際公式ルールが打てるところはごくごくごく僅かにあった気はしますが…)、
・とりあえず打ちたい!!→フリー
・友達と打ちたい!→セット
の感覚で大丈夫です。

ちなみに、
セットの場合はただの貸卓なので、賭けなきゃオンレート店を利用しても99.9%問題はありません。
あるとすれば……、
セットでオンレート店を利用していて、
たまたまそのとき警察がフリーの賭博現場を取り締まった時、
居合わせていた別卓セットの客はどうなるのか、不安材料ではありますね。


・値段の相場ってどれくらいなの?

麻雀店の価格についてですが、
これはフリー・セット共に法律で上限価格が決まっています。
きっかりした数値や、税込み税抜きどっちかは忘れたんですが、
フリーは1ゲーム600いくら、セットは1時間2400か2600くらいです。

相場としては、フリーは1ゲーム500円、
セットは税抜1卓1時間2000弱が相場です。

ですが、店によっては入店料やドリンク料という名目で
ゲーム代+アルファ取られるところも多くなっていますね。

また、最近は個室セット店が流行っています。
そういう店はルームチャージとかいって卓の料金とは別にいくらか取られる場合が多いです。
タバコが気になる自分には大変ありがたいのですが、
麻雀店の個室って法律的にグレー(というかアウト)なんですよね……。実は。


と、こんな感じで麻雀店そのものに特化したQ&Aを書いてみました。
気になってるお店や、行ってみたいけど不安な場合は個別に連絡頂ければ調べられますので
気軽にお尋ねください!

#ここちゃんず麻雀部ももっともっと増えていってほしいところ。
2023年新入部員もお待ちしております!

2022/12/11

#14『熟語は訓読みに分解!』

ラジオのメールのちょっとしたテクニック(というか配慮)をご紹介。

今回は『熟語』について。

ラジオというのは知っての通り音だけ、音からイメージするメディア、
情報の100%を耳から入れて頭に流すもの。

ではイメージとは、何をイメージするのか。
場面、雰囲気、美味しさ、匂い etc...
五感はもちろん、あらゆる情報をイメージさせます。

しかし、視覚に比べ耳というのはインプットにおいてとても不安定。
日常会話でも、イントネーションやたった1音の違いで
「えっ?」と疑問を抱くことが多々あることでしょう。

それと一緒で、ラジオのメールも、
書いてる時にはスマホやPCの画面で”しっかり”確認できても
それが採用され、パーソナリティーが読み上げて音の情報に変換されると
非常に複雑な表現に変化することも。

それではここで数学が国語の話をします。笑うとこです。

【『音読み』と『訓読み』】


この2つを説明できますか?

たとえば「声」という漢字。
音読みは「せい」、
訓読みは「こえ」。

わかりやすく言うなら、
聞いて(イントネーション込み)パッとその漢字が的確に思い浮かぶ方が「訓読み」
頭にやたら変換候補が浮かんだら「音読み」です。
「せい」と言われれば生性制正星…………バカみたいにあります。
一発で「声」だとは断定できませんよね?

音読み訓読みはあくまで漢字1字においての話ですが、
熟語となるとやたら言葉の数が増え、同じ読みの熟語も増え……。
そういった状態のまま、音情報にするとそりゃミスリードも増えます。

もちろん、前後の文脈で理解可能な場合、
イントネーションでわかる場合…、
ケースバイケースで、しかも音に乗ってみないとわからないものですが、
そういったミスリードになる可能性をなるべく潰して、
快適に聞ける(読める)ために言葉を工夫しよう!
というのが、今回のテーマの目的です。

分解してみる


そこで一つ意外と簡単にできることが、タイトルの
【熟語を訓読みに分解】です。

例えば『腹痛』という熟語なら→「お腹が痛い」といった具合で。
まぁ腹痛程度でミスリードは起きにくいと思いますが、
変換にやたら言葉が並んでいるコトバは場合は注意したほうがいいかもしれません。
でもひと呼吸置けば誰でもできる工夫だったりします。

しかし、放送を聞いていると意外とミスリードを誘う熟語を使っていることがあります。

ではなぜ熟語を使ってしまうのか、分析していくと
・パーソナリティーにかしこまらなくてはいけない
・きっちりとした文章にしたい

のような理由で、ほぼ無意識下のうちに使っていると思います。
しかもこの気持ちはメール投稿を始めたての人に多い。

憧れの人で、年上目上の方だから、敬語を使って配慮しなければ……。
だから”なんとなく”熟語が多く使われて、
たまたまミスリードを誘う語句が使われ、
結果、リスナーの頭に一瞬?が浮かぶ。
こういう算段です。

もちろんこの『熟語』には例外もあります。
分解せず、逆に使った方がいい場面も当然あり、
考えられるとすれば
・あえて結構かしこまりたい場合 とか
・韻を踏みたい場合(ラップ系文章) とか。

この話はあくまで「聞いて理解されやすくする(だけの)工夫」なので、
他に↑のような意図がある場合はもちろんその限りではありません。

それに誤解が起きなければ別にどう書いてもいいのです。
逆に起きたら自分の責任ですし、それにないとはなかなか言い切れない話なのですが…。

結局のところ同じアドバイスになってしまいますが、
書いた後読み返して、言いづらいところ(はパーソナリティーも言いづらい)、
客観的に聞いて頭に?が浮かんだところ、意図通りになってないな、というところ、
ひとつひとつ潰し整えていくのは変わりないのですがね……。


数学