2022/12/11

#14『熟語は訓読みに分解!』

ラジオのメールのちょっとしたテクニック(というか配慮)をご紹介。

今回は『熟語』について。

ラジオというのは知っての通り音だけ、音からイメージするメディア、
情報の100%を耳から入れて頭に流すもの。

ではイメージとは、何をイメージするのか。
場面、雰囲気、美味しさ、匂い etc...
五感はもちろん、あらゆる情報をイメージさせます。

しかし、視覚に比べ耳というのはインプットにおいてとても不安定。
日常会話でも、イントネーションやたった1音の違いで
「えっ?」と疑問を抱くことが多々あることでしょう。

それと一緒で、ラジオのメールも、
書いてる時にはスマホやPCの画面で”しっかり”確認できても
それが採用され、パーソナリティーが読み上げて音の情報に変換されると
非常に複雑な表現に変化することも。

それではここで数学が国語の話をします。笑うとこです。

【『音読み』と『訓読み』】


この2つを説明できますか?

たとえば「声」という漢字。
音読みは「せい」、
訓読みは「こえ」。

わかりやすく言うなら、
聞いて(イントネーション込み)パッとその漢字が的確に思い浮かぶ方が「訓読み」
頭にやたら変換候補が浮かんだら「音読み」です。
「せい」と言われれば生性制正星…………バカみたいにあります。
一発で「声」だとは断定できませんよね?

音読み訓読みはあくまで漢字1字においての話ですが、
熟語となるとやたら言葉の数が増え、同じ読みの熟語も増え……。
そういった状態のまま、音情報にするとそりゃミスリードも増えます。

もちろん、前後の文脈で理解可能な場合、
イントネーションでわかる場合…、
ケースバイケースで、しかも音に乗ってみないとわからないものですが、
そういったミスリードになる可能性をなるべく潰して、
快適に聞ける(読める)ために言葉を工夫しよう!
というのが、今回のテーマの目的です。

分解してみる


そこで一つ意外と簡単にできることが、タイトルの
【熟語を訓読みに分解】です。

例えば『腹痛』という熟語なら→「お腹が痛い」といった具合で。
まぁ腹痛程度でミスリードは起きにくいと思いますが、
変換にやたら言葉が並んでいるコトバは場合は注意したほうがいいかもしれません。
でもひと呼吸置けば誰でもできる工夫だったりします。

しかし、放送を聞いていると意外とミスリードを誘う熟語を使っていることがあります。

ではなぜ熟語を使ってしまうのか、分析していくと
・パーソナリティーにかしこまらなくてはいけない
・きっちりとした文章にしたい

のような理由で、ほぼ無意識下のうちに使っていると思います。
しかもこの気持ちはメール投稿を始めたての人に多い。

憧れの人で、年上目上の方だから、敬語を使って配慮しなければ……。
だから”なんとなく”熟語が多く使われて、
たまたまミスリードを誘う語句が使われ、
結果、リスナーの頭に一瞬?が浮かぶ。
こういう算段です。

もちろんこの『熟語』には例外もあります。
分解せず、逆に使った方がいい場面も当然あり、
考えられるとすれば
・あえて結構かしこまりたい場合 とか
・韻を踏みたい場合(ラップ系文章) とか。

この話はあくまで「聞いて理解されやすくする(だけの)工夫」なので、
他に↑のような意図がある場合はもちろんその限りではありません。

それに誤解が起きなければ別にどう書いてもいいのです。
逆に起きたら自分の責任ですし、それにないとはなかなか言い切れない話なのですが…。

結局のところ同じアドバイスになってしまいますが、
書いた後読み返して、言いづらいところ(はパーソナリティーも言いづらい)、
客観的に聞いて頭に?が浮かんだところ、意図通りになってないな、というところ、
ひとつひとつ潰し整えていくのは変わりないのですがね……。


数学

2022/09/27

『高田憂希・千本木彩花のしゃかりきちゃん』を薦めたい

自分のことを古くから知ってくださっている方は
私の本質はアニメより【ラジオ好き】であることを認知してくださってる方も少しいらっしゃるかと思います。

推しの声優ではなくても「話が面白いから」「トークにセンスを感じて」その人の番組を聴き始めたり、
その方をアニメなどの推しとは別に【ラジオ的推し】として注目することもこれまでにしばしば。

そんな声ラジ生活がもうすぐ13年目になろうとしていますが、
これまでに聴いた番組で五本の指に入る、私の理想のような声ラジが
『高田憂希・千本木彩花のしゃかりきちゃん』
です。

●パーソナリティーについて

ハチャメチャ担当・高田憂希と
しっかり者&時折ドS担当・千本木彩花の図。
構図が安定しているし、2人とも互いに変に気を遣ってる様子も感じないトーク。

私がよく他のラジオでパーソナリティーに持つ不満というのが『リスナーへのよそよそしさ』。
なんかやたらファンに公平に接するように話してたり、
メールの返答でもやたら素っ気ない、もっとフレンドリーに話していいのに、という方をよく見かけたりしますが、
しゃかりきちゃんはその辺がとても人間味を感じさせます。
相談にはそれなりに真面目に、
変なメールには変ななりの塩対応を、
しまむらお遍路(後述)で2人や番組に多大な貢献をしたちゃんちゃんには電凸しちゃってまでお礼を伝える。
リスナーへの不自然な返しや媚びがなく、1人1人としっかり向かい合ってるのが好感持てるポイントです。


●スタッフ(主に作家)について

どこかの番組で一度は薄々感じたことがあるのではないだろうか…、
「せっかく推しのラジオなのに中身や選ぶメールがつまらない」
「どうしてそのメールを採用したの?」
というやり場のない気持ち。
推しが出てるから聴かなきゃいけないんだけど、なんか中身が不完全燃焼で、飽きてきたり惰性になったりすること。

自分の中でこれについて推せるポイントが大きく2つあるので挙げていくと、
1つ目が『お便りへの姿勢』
呼び込み文が
「他の番組に絶対に使い回せないお便り、今まで書いたことのないお便り」
「私たちにほんとに心から聞きたいそんな質問」

等、とにかく個性、オンリーワンさをとても要求してきます(これが業界スタンダードであってほしいんですが…)。
かつては、ふつおたに「ところで質問ですが」みたいなセンテンスがあるメールは不採用となったりするなど、
とにかくベタなことに厳しいのが、ベタ嫌いの自分としては非常に好感です。

それが最高に発揮されるのが【よくある質問に答えておきましょうのコーナー】
リスナーから〈Theアニラジ定番〉なよくある質問文を送ってもらい2人に軽く答えてもらうだけの、
いわゆる「対そんじょそこらのアニラジ声ラジへの【皮肉】」。

個人的に一番快感だった質問が、春先に読まれた
「この春、お2人は卒業したいことはありますか?」
に対する、作家・ミラッキさんの
『アニラジはこの質問から卒業しないといけませんね……。』
というコメント。ほんとこれ。
とにかく、お便りの質もリスナーの投稿センスも抜群にハイレベルで、聴いてて普通に楽しいです。

2つ目が『バカに真面目』
さっき軽く触れたんですが、最近流行りの【しまむらお遍路】ってご存知ですか?
事の経路はぜひ番組を1から振り返ってほしいところ。
要は全国のファッションセンターしまむらをお遍路する。

説明になってないじゃないか、どういうことだと言われても、それ以上でも以下でもない。
じゃあ逆にノーマルお遍路を説明するとすれば、
四国の88ある寺社仏閣を巡ること、ざっとそんなもん。大して変わらん。

また、個人的に好きな回が第106回。
『千本木彩花 ご報告の回』と伝えればピンとくる方もいるでしょうが、そのあたりの日付です。
106回はYoutubeにもあがっていて無料で聴けるので是非聴いて頂きたい。

時に大胆に構成を変えて寸劇したり、まるまるエイプリルフールしたり、自分も積極的に混ざったり。
リスナーの満足度がより高まる構成や台本の言葉選び、コーナーの仕掛けをしてくるのが
ここの作家・ミラッキさんのいいところだと思います。

しゃかりきちゃんの2人は、自分の中でのガチ推しというわけではないですが
(前述でいう“ラジオ的推し”にあたる)、
しゃかりきちゃんの構成や採用メールなどで、忖度抜きに、不満も違和感も感じたことは一度もありません。

●10月9日空いてますか

そんな「トークもおもろい・メールもおもろい」
ラジオセンスの塊なしゃかりきちゃん、
イベントやります。チケット一般販売中です。

【イベント詳細】
10月9日(日)3部制(第1部12:30開演)
会場:ワテラス コモンホール(御茶ノ水あたり)
1,2部ゲスト:松田利冴

そして、このイベントが埋まらないと
番組終わります。
(って第6感が言ってる)

確かに、10年前よりますます番組数が増え、
そして「個人やコンテンツを推す」傾向が強くなり、ラジオ文化そのものを好きになるアニオタは減っているのは感じているので
ノンタイアップ(=非アニラジ)、非CDデビュー声優の声ラジは淘汰されやすいような感覚はしています。

が、それと同時に僕は【リスナーとしての質の低下】を危惧しています。
アニメが増え、声優が増え、番組が増え、
「推しの番組がある」それだけで満足になり、
見る目聞く耳が肥えてしまってる人が多いように感じます。
僕がこのブログを始めたのも、最近の採用メールに違和感を感じたのがきっかけでした。

ひとつくらい、日々聴く番組に推しとは関係なく、質の高い番組をリストに加えてみてはいかがでしょう。

しゃかりきネーム:数学

2022/09/08

#13『“感想メール”の雑投稿・雑採用』

前回、感想メールのネタバレ自重について書きましたが、
今回も感想メールについてのお話。

今回は中身について掘り下げていきます。

ちなみに、今回はモロに採用率に影響します(知らんけど絶対する)。
とにかく採用だけされたい人や、まだ投稿を始めたばかりの方は一度無視して頂いて、
きれいに採用されたい方のみ閲覧をおすすめします。



では、
まず最近の感想メールの問題点を挙げます。
それは
「“あらすじ”を感想と思ってる人しかおらん」という点。
これはオタクもスタッフも。

最近読まれる感想メール(笑)の特徴はこういう文章。

○○さんこんにちは。
n話見ました!
前回、衝撃のラストの展開から一時はどうなることやらと思いましたが、
誰々が何かして結果めでたしめでたし。
この話の収録の裏話やエピソードなどありましたら教えてください!
(場合により6割の確率でさらに蛇足な「最近暑いか寒いかすごいけどお体に気をつけてお仕事頑張ってください!」までクソ長駄文プラス。)


……という構文を非常によく聞きます。
問題点しか見当たらなくて説明もおっくうなのですが、そういうブログなので書いていきます。

・まず書く側として
感想って「感じて想ったこと」だから感想なのに、
あなたの感じて思ったこと「一時はどうなること」のみ。
小学生低学年が言う「びっくりしたー!」と何ら変わりない低レベルさ。
ほんとに小学生低学年なら温かい目で見てられるのですが、
小学生低学年ならもっとそれなりに文章が直接的でアツいんですよね…。

・そして採用する側として
作家さんはどうしてこれを採用したの?
番組としてここからどう発展するとお思いで?

と言うと「メールを振り返りの起点に…」とか「メールで振り返れれば別に…」と、
自分が作り手なら(思いはしませんが)理由づけるならこうなはず…。

稚拙。工夫のかけらもない。

・さらにパーソナリティ(の一部)へ
こういうただのあらすじしか書いてない文に対し
「1通で全部まとまってる!素晴らしいメール!!」
って褒めちぎる女性声優。
皮肉なら大変素晴らしい煽りなんですが、
本気(マジ)ならパーソナリティー降りてくれ。
そんな文章から何か得られたのかわからないし、
それにせっかく頂いてるメール、1通しか読みたくないんですかね。
という風に聞こえますよ。


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と、色んな角度から問題に感じる点を挙げていきましたが、
総じて言えるのは【自分の意思】がないこと。
そんな構成だったら、まだは作品の話を全くしないコーナーだけのアニラジの方がまだ面白い。
〈トークから得られるもの〉が全然違います。

以前からこのブログで主張していますが、ラジオは【共感】のメディア。
既に見た話のあらすじを長々と述べられたところで全て知ってる話なわけで、
その数分が新しい情報0の無駄な時間と化し、
貴重なメールの採用数の1枚が無駄になります。

あそこのシーンがよかった!
セリフの言い方が可愛かった!
あのカットにアレ隠れてたけど見間違いかな…?

人間なのですからもっと自分の思いを持って頂きたいもの。

そして繰り返しにはなりますが、感想メールで感想を書くと読まれづらくなりますので
読まれたい(だけの)人は感想を書かないことを強くおすすめします。


数学