2022/09/08

#13『“感想メール”の雑投稿・雑採用』

前回、感想メールのネタバレ自重について書きましたが、
今回も感想メールについてのお話。

今回は中身について掘り下げていきます。

ちなみに、今回はモロに採用率に影響します(知らんけど絶対する)。
とにかく採用だけされたい人や、まだ投稿を始めたばかりの方は一度無視して頂いて、
きれいに採用されたい方のみ閲覧をおすすめします。



では、
まず最近の感想メールの問題点を挙げます。
それは
「“あらすじ”を感想と思ってる人しかおらん」という点。
これはオタクもスタッフも。

最近読まれる感想メール(笑)の特徴はこういう文章。

○○さんこんにちは。
n話見ました!
前回、衝撃のラストの展開から一時はどうなることやらと思いましたが、
誰々が何かして結果めでたしめでたし。
この話の収録の裏話やエピソードなどありましたら教えてください!
(場合により6割の確率でさらに蛇足な「最近暑いか寒いかすごいけどお体に気をつけてお仕事頑張ってください!」までクソ長駄文プラス。)


……という構文を非常によく聞きます。
問題点しか見当たらなくて説明もおっくうなのですが、そういうブログなので書いていきます。

・まず書く側として
感想って「感じて想ったこと」だから感想なのに、
あなたの感じて思ったこと「一時はどうなること」のみ。
小学生低学年が言う「びっくりしたー!」と何ら変わりない低レベルさ。
ほんとに小学生低学年なら温かい目で見てられるのですが、
小学生低学年ならもっとそれなりに文章が直接的でアツいんですよね…。

・そして採用する側として
作家さんはどうしてこれを採用したの?
番組としてここからどう発展するとお思いで?

と言うと「メールを振り返りの起点に…」とか「メールで振り返れれば別に…」と、
自分が作り手なら(思いはしませんが)理由づけるならこうなはず…。

稚拙。工夫のかけらもない。

・さらにパーソナリティ(の一部)へ
こういうただのあらすじしか書いてない文に対し
「1通で全部まとまってる!素晴らしいメール!!」
って褒めちぎる女性声優。
皮肉なら大変素晴らしい煽りなんですが、
本気(マジ)ならパーソナリティー降りてくれ。
そんな文章から何か得られたのかわからないし、
それにせっかく頂いてるメール、1通しか読みたくないんですかね。
という風に聞こえますよ。


ーーーーーーーーーー

と、色んな角度から問題に感じる点を挙げていきましたが、
総じて言えるのは【自分の意思】がないこと。
そんな構成だったら、まだは作品の話を全くしないコーナーだけのアニラジの方がまだ面白い。
〈トークから得られるもの〉が全然違います。

以前からこのブログで主張していますが、ラジオは【共感】のメディア。
既に見た話のあらすじを長々と述べられたところで全て知ってる話なわけで、
その数分が新しい情報0の無駄な時間と化し、
貴重なメールの採用数の1枚が無駄になります。

あそこのシーンがよかった!
セリフの言い方が可愛かった!
あのカットにアレ隠れてたけど見間違いかな…?

人間なのですからもっと自分の思いを持って頂きたいもの。

そして繰り返しにはなりますが、感想メールで感想を書くと読まれづらくなりますので
読まれたい(だけの)人は感想を書かないことを強くおすすめします。


数学


2022/06/27

#12『ネタバレになるので詳しくは書けなくなる人たち』

アニラジでよく聴くワード第12位くらいの話になります。

「ネタバレになるので詳しくは書けないのですが」。

もうね、怒りがふつふつと込み上げてきます。きっとこの世で1人だけ。
ラジオ業界の誰も疑問に思わないからこれがよく聴くワード第12位(当社比)なんですが。

これについて、話を広げてみたいと思います。

①なぜ書くのか


私は(たぶん)書いたことないのですが、
私なりに、なぜ書くのかを考察してみると簡単です。
他のリスナーへの配慮。
これに尽きます。
なんならメール本文にそれすら全て説明なさる、とてもご親切な御方もいらっしゃる。

まだ観てない人に本編の内容を聞かせてしまっては。
迷惑をおかけしてはいけない、そう思ってるからこそ、ごく当たり前のように書く
「ネタバレになるので詳しくは書けないのですが」
だと思います。


②どこがいけないのか


では、ここから持論を話すのですがひとつめ。

・なぜ他の人の心配をするの?

ラジオとテレビの違いを理解できてない人が多すぎるのですが、
ラジオは、パーソナリティと1対1のメディアです。
すると、

どうして?パーソナリティは俺ら大勢に向かって喋ってるじゃないか。

と言う人が(言う人しか)いるのですが、
1対多の気持ちで喋ってる人、大勢に向かって喋ってるように聴こえている人は
ラジオの特性を理解していないパーソナリティです。
そして、それができている声優さんはごくごく一部。

そこで話を戻します。
パーソナリティのトークが1対1なら、
私たちが書くラジオの投稿ももちろん1対1の会話。
つまり、【あなたはパーソナリティ(のみ)とお話会をしているのに
なぜ他のリスナーのことを気にしているのですか?】
という話であり、誰かの知らない人のためにわざわざ気を遣ってネタバレの心配なぞしなくていいのです。

そして、もうひとつ

・ラジオは共感のメディア

ラジオで、パーソナリティのお話を聞いて
「わかる〜!」
逆に
「は?」「それは草」
でもどちらでも、トークからあれこれ膨らんでいくのが発展というもの。

少し前の話をしますと、上田麗奈さんがひみつばこで

「お風呂に入ったら、栓を抜いて自分の裸体がだんだん露わになっていくのが好き」

などという(賛否はともかく)お話をされていましたが、
その流れが実況TLにとどまらず、次回収録でのワンテーマにもなるほどの共感や疑問のお便りが届きました。

それと同様、先行上映会の感想で
「あのキャラのここのシーンでの表情が可愛かった!!」
→「わかる!」「それな」「それは分かり手」「わかりすぎてわかり徹夜」

と、皆で盛り上がるツイートをしたいのに、
「ネタバレになるので詳しくは書けないのですが」
と言われたら俺らは何とツイートすればよいのでしょう。
コロナの実行再生産数は1を切って欲しいのに、先行上映会や舞台挨拶での感想でネタバレを控えさせてしまうとここだけ実行再生産数がキレイに0になってしまいます。

それでいいのでしょうか。
それでもなお、ネタバレがー、と言う方もいるから困り者。

そもそも論、イベントがあったらその感想メールがいつに読まれるのかは予見できるもの。その日だけ聞かなきゃいい話でしょうに。

ちなみに私であれば、ラジオへのお便りにはネタバレの遠慮はしないんですけど
Twitterには遠慮しますよ。
メディアのプッシュ型とプル型の話になるのですが。

そもそも論その②、ガチ勢ならイベントに行ってるので迷惑がかかる人がいない、すなわち自重しても自重損。
え、仕事で?遠方の開催で学生だから金がない?知らん知らんそこまで面倒見切れません。

そもそも論その③、ガチ勢でないなら?ガチ勢のためのラジオなのにガチ勢でないあなたがガチ勢の邪魔をするな、自重なさい。


③三手読みの観点から

最後に、中身は被ってしまいますが初回から提唱している『三手読み』の観点からも。

『ネタバレになるので詳しくは書けないのですが』
と言われたら、リスナーどう思うのでしょうか。
「親切だね〜」と、好意的に思う人、
僕みたいに「何遠慮してんだ」と、良くは思わない人、どちらが多いのでしょう。
調査してみてもよさそう…。

どちらにせよこの将棋の対局、ここで終わってしまいます。三手にもならないという。
「いや〜、私にはこの8八銀一択なんですけど、これを指してしまうとあなた負けちゃうから」
と、僕には聴こえます。どちらにせよモヤモヤしますね。


ネタバレを控えたところで誰の得にもなりません。
他のリスナーを心配する気持ちは理解できますが、
たまにはその気持ちをぶった切って、パーソナリティに遠慮のない思いをぶつけてみてください。



数学

2022/05/04

#11『《たてる》と《捨てる》』

「たてる」と「捨てる」


対になる言葉としては聞き馴染みがないと思いますのでご紹介。

この2つの用語は、本来声優さんやナレーター、アナウンサーなど
読む喋る世界で生きてる人にとっての用語(なはず)で、意味としては

・「たてる」は【目立たせる】
・「すてる」は【目立たせない】【流す】
箇所のことを意味します。


たとえばこんな例文

「4月26日、声優の小原好美さんが初の写真集を発売することが発表されました。」

というナレーション文が仮にあるとしましょう。
これを読む時、どこを目立たせて読むべきで、どこを軽く流して読むべきしょうか。

4月26日、声優の小原好美さんが初の写真集を発売することが発表されました。

私だったらこの太字+下線にしたところを少しゆっくりめに強調して(=たてて)読み、
薄くした文字は大して気持ちをこめずさらっと“捨て”て読みます。
人によっては【初の】も、たてる人はいそうですね。

これ、知らない人にとっちゃ
「なんで目立たせなくする必要がある!全部大事に決まってるじゃないか!」
のひと言ですが、こういう文章にはどれも必ず要る物と要らない物があるんです。
ニュースを読んでるアナウンサーの声を慎重に聞いていればなんとなくわかるはずです。こういうのはNHKがいいかな。

この、【重要】【重要でない】を見極めるのが
『たてると捨てる』であり、
皆さんの推してる声優さんも、台本を『どう』読むかお家で練習している中のひとつに
『たてる・捨てる』ないし、強調と抑圧も含まれている(はず)です。


●文章においての《たてる》と《捨てる》


ここまで、読みの観点からたてると捨てるの話をしてきましたが、これは書く分野、
メール投稿、文章にも活かすことができます。

すなわち、「絶対伝えたいセンテンス」と「別にどうでもいい文」を共存させるのです。

すると今度は
「どうでもいい文なんか書かなくていいじゃないか!そんなん消せばいいってツイートすんだろ!!」
と言われるんですが、そういう意味でなくて。

言い換えるなら『閑話休題』。
食事中に箸を置き水を飲むように、
1日3食の中のおやつを食べるように、
アニラジ30~40分間の中の円盤情報、


別になくてもいいけど、ないとちょっと物足りない、
そんな感じの1文があると緩急のついた文章になるのです。


題材の都合上どうしても文章の例は出しづらいのですが、
例えば質問の前のクスりとする1文、冗談めいた1文、
そういうのです。
そもそもの存在がさりげないものなので気付きにくいのですが、
巧い文章には地味にある、影の功労者的存在。

ちょっと上等テクですが、スパイス的なもんだと思ってください。



数学